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妊娠中のカフェイン摂取

[2023.04.05]

胎盤にはろ過装置のような役割があり、通過できるものと通過できないものがあります。
その中でカフェインは、簡単に胎盤を通過出来るため、摂取量には注意が必要です。
また、妊娠中期以降はカフェインの代謝が低下するため、通常時より体内にカフェインが長く残ります。

妊娠中のカフェイン摂取量が増えると、流産、子宮内胎児死亡、胎児発育不全、低出生体重児が増えるというデータが多数報告されています。
カフェインを摂取しなければ、カフェインによる害もなくなるため、妊娠中はカフェインを摂取しないというのも一つの考え方です。

一方、私もそうですが、コーヒーが好きな方もいらっしゃると思います。
妊娠中でもコーヒーを少しは飲みたいという方もいると思います。その場合、どのくらいまでは許容されているのかを把握し、その量までに抑えるということが大切です。

カフェインと言うと、多くの方がコーヒーをイメージすることが多いと思いますが、カフェインはコーヒー以外にも紅茶、日本茶、ココア、コーラに、食べ物ですとチョコレートなどに含まれています。
また、エナジードリンクにはカフェインが多く含まれているものもあります。

下記に100mlあたりのカフェイン含有量を示します。

100mlあたりのカフェイン含有量

飲料名 カフェイン量(100mlあたり)
エスプレッソ 212mg
玉露 160mg
コーヒー 60mg
インスタントコーヒー 57mg
モンスター 34mg
レッドブル 32mg
紅茶 30mg
せん茶・ほうじ茶 20mg
ウーロン茶 20mg
番茶・玄米茶 10mg
ミルクチョコレート 25~35mg
ハイカカオチョコレート 70~120mg

参考文献:日本食品標準成分表2020年版

一番カフェイン量が多いのはエスプレッソですが、エスプレッソは1杯が30mlと少ないため、1杯あたりのカフェイン量という意味では、コーヒーと大きく変わりません。
一方で、日本茶の1種である玉露は、100mlあたり160mgとコーヒーと比較しても高容量のカフェインが含まれます。

また紅茶でも、コーヒーの半分程度のカフェインは含まれていますので、コーヒーの代わりに紅茶を沢山飲んでいると、カフェインの量が過剰になってしまう可能性もありますので注意しましょう。

妊娠中のカフェイン摂取には現時点では摂取許容量が存在すると言われており、WHOをはじめ多くの学会が摂取量を1日200~300mg未満に制限することを推奨しています。
健康な妊婦であれば、300mg/日までのカフェイン摂取であれば、妊娠・出産には影響しないと考えてよいでしょう。

妊娠中のカフェイン摂取について、参考になれば幸いです。

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