妊活中は基礎体温を測定している女性も多いと思います。しかし、基礎体温を測ることで、実際に『何がわかるのか』はたまた『何はわからないのか』がはっきりしないまま、漫然と測っている方も多く目にします。

そこで今回は、基礎体温を測ることでわかること・わからないことを、お伝え出来ればと思います。妊活中に基礎体温表をどのように活用すればよいかわからない方の、お役に立てれば幸いです。

１，基礎体温とは

基礎体温とは、一定期間安静にした状態での体温を言います。その為、基本的に朝ベットから起き上がる前に測ります。通常の体温計でも測ることは出来ますが、0.1度単位までしか測定出来ないため、0.01度単位まで測定できる婦人体温計で測り、小さな変化も記録することが理想です。

また、通常体温を測る際には、脇の下で測ることが多いと思いますが、基礎体温は舌下で測るのが基本です。その理由は『体温が安定しているから』。脇の下は、外気温や汗をかいたりすることで、体温に変化が出やすいため、それらの影響を受けづらい、口の中での計測が理想です。

ただし、朝ベットに寝た状態で、舌下で体温を測ったとしても、睡眠時間がいつもより短かったり、夜中にトイレに行ったり、睡眠前にお酒を飲んだり、風邪をひいたり、様々な要因で体温に影響が出ることがあります。また、夜勤など夜働くことがある仕事ですと、寝る時間が不規則になり、体温が変動しやすくなります。

このように、基礎体温は様々な要因により、変動することが避けられないため、毎日の基礎体温の上がり下がりに一喜一憂はせず、何ヶ月かを表にしたものを眺めて、全体的な傾向を見る程度に留めた方がいいでしょう。また、基礎体温測定自体がストレスに感じてしまう場合には、無理して測定を続けなくてもいいかもしれません。無理せず続けるというのが大切です。

２，妊活中に基礎体温を測った方がいいと言われる理由

妊娠するためには、精子と卵子が出会わなければなりません。つまり、排卵が起こることが必要不可欠です。その為、まずは基礎体温を何ヶ月か継続して測り、実際に『排卵が起こっているかどうか』を知ることは、とても大切です。通常、排卵が起こっている場合には、月経開始から排卵日までが低温期、排卵後から月経開始前までが高温期となり、基礎体温表は2相性になります。2相性になっているかいないかで、排卵の有無がわかるというのが、妊活中に基礎体温を測る一番の理由です。

一方で、基礎体温表ではわからないこともあります。

３，基礎体温表でわかること

排卵しているかどうか

基礎体温表が2相性になっていることが確認できれば、排卵が起こったと判断することが出来ます。一方、2相性になっていない（1相性もしくはガタガタ）場合には、排卵が上手く起こっていない可能性があることが分かります。

どのくらいの時期に排卵しているか

何周期か基礎体温を測定することで、月経周期が一定の方の場合には、ある程度パターンが見えてきます。『月経開始から大体何日目くらいで高温期になる』ということが分かれば、おおよその排卵時期がわかります。

高温期の長さ

高温期は通常11～14日程度と言われています。その為、2相性になっている場合には、体温が高めの時期が何日あるか数えることで、おおよその高温期の長さがわかります。何周期か測定を続け、毎回高温期が10日以内の場合には、妊娠の成立・維持に必要な、黄体ホルモンが十分に分泌されていない可能性があります。

妊娠の可能性があるか

妊娠が成立しなかった場合、高温期は14日以内で終わり、月経発来と共に体温が下がります。一方、妊娠が成立した場合には、高温期が15日以上続きます。17日以上高温期が続く場合には、妊娠の可能性が高いと考えてよいでしょう。高温期が20日以上続いている場合には、妊娠検査薬を使ってみましょう。

４，基礎体温表でわからないこと

いつ排卵するかは排卵前にはわからない

基礎体温が低温期から高温期に変わるタイミングが排卵日です。その為、高温期になれば『排卵した』ということがわかります。ただし、それはあくまでも排卵後であって、排卵前に『何日後に排卵する』といった情報は得られません。

排卵日を正確に特定することは出来ない

基礎体温が低温期から高温期に変わるタイミングが排卵日とお伝えしましたが、低温期から高温期に移行するまでには、おおよそ2～4日程度かかります。その為、その間のどこかで排卵が起こったことはわかりますが、『この日が排卵日』と特定することは出来ません。

５，病院へ相談に行った方がいいケース

基礎体温表が2相性にならない

何ヶ月か基礎体温を測定しても、ずっと1相性の場合には、排卵が起こっていない可能性があります。特に生理不順がある場合には、排卵障害の疑いがありますので、一度婦人科へ相談に行かれることをお勧めします。

高温期が10日以内の場合

何周期か基礎体温を測定し、いずれの高温期も10日以内の場合には、黄体機能不全の可能性があります。一度婦人科へ相談に行かれることをお勧めします。

６，まとめ

今回は基礎体温を測定することでわかること・わからないことを中心に書きました。これらを理解した上で、妊活に基礎体温表を上手く活用して頂けると幸いです。

尚、基礎体温測定で、排卵前に排卵日を特定することは難しいため、妊娠に向けて夫婦生活を持つタイミングを知りたい場合には、排卵検査薬を併用されることをお勧めします。

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排卵検査薬の使い方