バルトリン腺膿瘍
バルトリン腺とは
バルトリン腺とは、外陰部にあるエンドウ豆大の分泌腺のことを指します。性交時の潤滑剤としての役割があります。腟の入り口の左右5時方向と7時方向にバルトリン腺開口部があり、分泌液が分泌されます。
バルトリン腺のう胞/バルトリン腺膿瘍とは
1,バルトリン腺のう胞
分泌液を排出する導管が詰まると、管の中に粘ちょう性の分泌液が溜まります。この状態をバルトリン腺のう胞と言います。腟の入り口付近がピンポン玉程度に腫れることがありますが、痛みがないことも多く、導管の詰まりが解消すると腫れは自然に収まります。
2,バルトリン腺膿瘍
分泌液を排出する導管に菌が侵入して炎症を起こすと、腟の入り口付近が赤く腫れ、痛みが出現します。バルトリン腺内に膿がたまり、症状がひどくなると、歩いたり座ったりの動作が困難になったり、排尿・排便障害を来たすこともあります。膿瘍を形成した場合には、治療をしない限り、なかなか治りません。
検査・診断
バルトリン腺のう胞/膿瘍は、基本的に視診・触診での診断が可能です。
治療
バルトリン腺のう胞は無症状のことも多く、症状がなく軽度の腫れのみの場合には、経過観察とします。一方、膿瘍を形成している場合には、切開または穿刺を行い、膿を取り除く処置を行った上で、抗生物質の内服にて治療を行います。
穿刺や切開を行っても何度も再発する場合には、開窓術を行います。