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梅毒

梅毒とは

梅毒トレポネーマという細菌によって起こる性感染症です。
梅毒トレポネーマは、粘膜や皮膚の小さな傷から体内に侵入し、全身に広がっていきます。
あらゆる臓器に炎症を起こすため、他疾患と紛らわしい症状が出ます。

近年全国的に梅毒の感染者数が増えています。
2014年くらいから少しずつ増え、2022年には現在の調査方法となって初めて、1万人を超えました。
こういった梅毒増加のニュースを受け、ここ最近梅毒を心配され来院されるケースも増えています。

梅毒の症状

第一期

10~90日程度の潜伏期を経て、性的接触などで細菌が侵入するきっかけとなった部位(口唇・口内・性器・肛門周囲など)にしこり(初期硬結)や潰瘍を伴うしこり(硬性下疳)が出来ます。
痛みはないことが多いですが、強い痛みを訴える場合もあり、単純ヘルペスと見分けがつかない場合もあります。
多くが1か月程度で症状が一度消失します。

第二期

第一期の症状が出現した後、未治療でも多くの場合一度症状は消えます。
その後4~10週間の無症状期を経て(その間に体内で増殖している)、皮膚病変が出現します。
梅毒性バラ疹・丘疹性梅毒疹は全身に、扁平コンジローマは性器や肛門周囲に、梅毒性アンギーナは口内に見られます。
これらの症状が3か月~3年にわたり混在して続きます。
他の皮膚疾患と紛らわしく、他の疾患と考えられて漫然と治療されているケースもあります。

第三期

感染から3年以上経過すると、全身の皮膚や筋肉などにゴムのような腫瘍が出来ます。
しかし現在ではこの時期までに治療されることがほとんどです。

第四期

感染から10年以上経過すると、全身の臓器や神経まで侵され、神経障害や脳梗塞、心不全など命に関わるような状態になることもあります。

梅毒の検査

問診や視診で症状を確認し、梅毒が疑われる場合には、血液検査を行います。
梅毒トレポネーマ抗体(TPHA)と非トレポネーマ脂質抗体(STS/RPR)という2つの抗体の血液検査を行うことで、パターン分けしていきます。

  • TP:過去に梅毒にかかったことがあるかどうか
  • RPR:現在の梅毒の活動性

これら2つを調べることで以下のようにパターン分け出来ます。

STS/RPR TPHA 解釈
非梅毒
梅毒の極初期
梅毒感染後の抗体保有者
TP法での偽陽性
感染後長期間経過したもの
梅毒初期
生物学的偽陽性(STSが16倍以上ではまれ)
梅毒感染
梅毒治癒後の抗体保有者(STSが低いことが多い)

表に示した通り、同じ検査結果であっても複数の可能性がある為、1度の検査では診断が確定しない場合もあります。
その場合には、2~4週間後に再検査をします。

また、梅毒と診断された場合HIVへの感染リスクも高いため、HIV検査も受けることが推奨されています。

梅毒の治療

ペニシリンという抗菌薬を用いて治療を行います。
まずは4週間内服後に抗体の再検査を行い、STS/RPRが基準以下に低下してれば治癒と判定します。
治癒した場合でも、再度上昇を認める場合があるため、1年間は抗体検査にてフォローが必要となります。

尚、ペニシリンの抗菌薬を内服開始して2日以内に発熱や頭痛などの症状が現れることがありますが、これは菌が破壊されることにより起こるものであり、一時的な反応です。
多くが自然に改善しますが、症状がひどい場合には対症療法を行いますので、ご相談下さい。

梅毒の注意点

梅毒の症状は一度出現した後に、一時的に自然に消失します。
その為、放置してしまうことが少なくありません。
しかし自然治癒することはなく、必ず再び症状が現れます。

気になる症状がある場合には、ぜひ相談にいらして下さい。

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