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排卵検査薬の使い方

[2023.02.18]

近年、排卵検査薬は薬局でも購入出来るようになり、排卵検査薬を使用しながら妊活をしているカップルも増えてきました。
医療機関でも、排卵日を予測する為の補助的な役割として排卵検査薬を使用することがあり、上手に使えば排卵日を正確にとらえることが出来ます。

そこで今回は、妊活を初めて排卵検査薬を使用しながら性交渉を持ちたいと考えているカップルに向けて、排卵検査薬の使い方を説明していきたいと思います。

目次
  1. 排卵検査薬とは
  2. 基礎体温やアプリだけでは排卵日が正確に予想できない理由
  3. 排卵検査薬を使用して性交渉を持つメリット
  4. 排卵検査薬はいつから使えばいいか
  5. 排卵検査薬で陽性が出たらいつタイミングを取るのがいいか
  6. 排卵検査薬がずっと陽性の場合に考えられること
  7. 排卵検査薬がずっと陰性の場合に考えられること
  8. 婦人科を受診すべきタイミングは
  9. まとめ

1,排卵検査薬とは

排卵検査薬は、尿中の黄体形成ホルモン(LH)というホルモンの濃度を測定し、陰性・陽性の判定をしています。
このLHというホルモンは、もともと排卵前だけでなく、常に少量ずつ分泌されていますが、排卵する36~48時間前に、排卵させる為の指令として、脳から大量に分泌されます。
これを専門用語でLHサージと言います。
このLHサージを捉えて、排卵を予想するのが排卵検査薬です。

医療機関でも、超音波検査での卵胞計測と一緒に排卵検査薬を使用し、排卵日を特定することがあります。

2,基礎体温やアプリだけでは排卵日が正確に予想できない理由

妊活を始めると、アプリや基礎体温で排卵日を予測し、妊娠の可能性の高い日を狙って性交渉をするカップルも多いと思います。
月経周期が一定の方の場合には、アプリや基礎体温のみでも、多くの場合適切なタイミングで性交渉を持つことができます。
しかし一方で、月経周期が3-4日以上ずれるという場合には、適切なタイミングで性交渉を持てない可能性が高まります。

基礎体温測定でわかること

  • 2相性になっているかどうかを見ることで、排卵障害の有無がわかる。
  • 高温期の日数を見ることで、黄体機能不全の可能性があるかどうかがわかる。
  • 排卵日と思わる日以降に体温が上がるかどうかを見ることで、排卵したかどうかがわかる。

基礎体温測定でわからないこと

  • 排卵前に排卵日はわからない。(一部の女性ではdipと言って排卵前に基礎体温が下がる方もいますが、すべての方に起こる訳ではありません)

アプリでわかること

  • 毎回の月経周期を記録することで、自分の月経周期にどのくらいのばらつきがあるかがわかる。
  • 自分の月経周期の平均がわかる。
  • 月経周期が一定で黄体機能不全がなければ、アプリのみである程度排卵日を予測できる。

アプリでわからないこと

  • 過去の月経周期の平均から予測する排卵日しかわからない為、今周期の排卵日が実際いつなのかはわからない。

3,排卵検査薬を使用して性交渉を持つメリット

月経終了後、高温期になるまでの間、数日に1回以上のペースで、定期的に性交渉が持てるのであれば、妊娠の可能性が高い時期にも性交渉を持てている可能性が高いため、排卵検査薬を使用する必要はありません。
しかし、男女共に忙しいカップルが多い現代においては、『そんなに頻回に性交渉を持てない!』というケースも多いと思います。
そんな場合には、排卵検査薬を使うことで、特に妊娠の可能性の高い、排卵の2日前~排卵当日までに、効率的に性交渉を持てるというメリットがあります。

また、月経周期が3~4日程度ずれる場合、アプリや基礎体温では排卵日を正確に予想することは困難です。
そのような場合でも、正確に排卵日を特定することが出来るのが、大きなメリットです。

4,排卵検査薬はいつから使えばいいのか

薬局で買える日本製の排卵検査薬には何種類かありますが、それらの添付文書の多くには、次の月経開始の17日前から使用するようにと記載されています。
月経周期がほぼ一定であれば、その添付文書通りで問題ありません。

一方で、月経周期にばらつきがある場合には、ここ半年の月経周期を確認し、一番短かった周期から18を引いた日(30日周期であれば月経12日目)から使い始めて下さい。
月経周期のばらつきが大きいほど、排卵検査薬を使用する日数が多くなります。
月経周期のばらつきが大きい場合には、一度婦人科で相談されることをお勧めします。

5,排卵検査薬で陽性が出たらいつ性交渉を持つのがいいか

最も妊娠の確率が高いのは、排卵の2日前です。その次が排卵の1日前、その次が排卵日です。
一番妊娠しやすいのが、排卵日ではないということに、驚かれる方もいるのではないでしょうか。

その理由は、精子と卵子の寿命が関係しています。
卵子の寿命は排卵後12~24時間である一方で、精子の寿命は少なくとも2-3日、場合によっては1週間以上生存するものもいます。
その為、朝に排卵したとして、その日の夜にタイミングを取ったとしても、精子と卵子が出会う頃には、卵子が既に寿命を迎えてしまっている可能性があります。

そのような理由から、排卵日よりも排卵の1~2日前の方が、妊娠率が高いのです。
理想は、寿命が短い卵子が排卵する前に、寿命の長い精子が待ち構えている状態です。

排卵検査薬は排卵の1~2日前に陽性が出ます。
そのため、陽性が出た日とその次の日に性交渉を持つのがベストです。
『2日連続して性交渉を持っていいんですか?』と聞かれることがありますが、適切な時期に性交渉を複数回行った方が、卵子と受精してくれる可能性のある精子の絶対数は増えます。可能であれば連続して性交渉を持って下さい。
ただし、苦痛になってしまってはしょうがないので、1回しか性交渉を持てない場合には、排卵検査薬が陽性となった日、もしくはその翌日に、性交渉を持って下さい。

6、排卵検査薬がずっと陽性の場合考えられること

排卵検査薬は尿中のLHというホルモンの濃度を測定しています。
その為、LHが高い状態が続いている場合には、排卵検査薬はずっと陽性となります。

LHが高い状態が続く場合には、以下の病態が考えられます。

  • 多のう胞性卵巣症候群(PCOS)があり、もともとベースのLHが高い
  • 早発卵巣不全(POI)でベースのLHが上がっている

いずれの場合でも、一度婦人科へ受診が必要です。

7,排卵検査薬がずっと陰性の場合考えられること

排卵検査薬は尿中のLHというホルモンの濃度を測定しています。
その為、ずっと陰性の場合には、以下の可能性が考えられます。

① 基礎体温が1相性である→排卵障害の可能性

基礎体温が1相性で、排卵検査薬がずっと陰性のままの場合には、無排卵であることが予想されます。
一度婦人科へ相談してください。

② 基礎体温が2相性

  • 排卵検査薬を使っていた時期に体温が上がった→不良品の可能性
  • 排卵検査薬を使っていた時期からかなり遅れて体温が上がった→使うタイミングが間違っていた可能性

基礎体温が2相性の場合には、排卵はしている可能性が高いです。
その為、使うタイミングが間違っていたと予想される場合には、次周期に再度適切なタイミングで使えるようにチャレンジしてみてください。
ただし、月経周期が不順の場合には、正しい時期に使えない確率が増えます。
何度もチャレンジしたけれども上手に使えない場合には、一度婦人科を受診されることをお勧めします。

一方不良品の可能性についてですが、排卵検査薬は日本製のもの以外にも、海外製のものもインターネット上では沢山売られています。
不良品が含まれている可能性も否定はできませんので、一度違う種類の商品を試してみるものも、いいかもしれません。
それでも陰性が続く場合には、一度婦人科へご相談下さい。

8,婦人科を受診すべきタイミング

排卵検査薬は基礎体温測定やアプリと比べ、正確に排卵日を予測することが出来ます。
しかし下記のような場合には、一度婦人科に相談に行かれることをお勧めします。

  • 排卵検査薬を使用して半年間タイミングを取ったが妊娠に繋がらない
  • 排卵検査薬がずっと陰性or陽性
  • 月経周期が不順(周期により5日以上のずれがある)
  • 年齢が35歳以上

9,まとめ

今回は排卵検査薬の使い方について書きました。
忙しいカップルが多い現代においては、そんなに頻繁に性交渉を持てないという声も多く聞きます。
そんな時に役立つのが排卵検査薬です。
妊活を開始して排卵検査薬を使ってみようと思っているけど、どうやって使ったらいいかわからないという方の、お役に立てれば幸いです。

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