月経困難症
月経困難症とは
月経困難症とは、月経の期間中に月経に伴って起こる病的症状のことです。
下記の2つのタイプが考えられます。
- 何らかの原因となる病気によって起こる器質性月経困難症
- 原因となる病気がない機能性月経困難症
機能性月経困難症は、初経後2-3年より始まることが多く、若年者の場合には年齢と共に症状が軽快することが多いのが特徴です。
月経困難症の原因
① 器質性月経困難症
子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫・子宮奇形などが原因となります。
② 機能性月経困難症
頸管(子宮の出口)が狭いことと、月経血を排出するために子宮を収縮させる物質(PG)の分泌が多いことで、子宮が収縮しすぎてしまい起こると言われています。
月経困難症の治療
器質性月経困難症の場合は原因疾患に応じた治療を行います。
機能性月経困難症の場合の治療
① 鎮痛薬
痛みに対しては、PGの合成を抑えるNSAIDS(ロキソニン)が80%の方に有効です。
ただし、痛みを我慢し続けた後に内服すると、既にPGが作られているため効果が出るのに時間がかかります。
その為、痛みを感じたらすぐに内服することが重要です。
症状が強い場合には、月経開始時もしくはその直後から服用を開始し、6~8時間ごとに2-3日服用すると効果的です。
② 低用量ピル
連続内服の方が、休薬期間を減らし、休薬に伴う気分変動や頭痛と言った症状を減らすことが出来るため、連続投与可能なピルをお勧めします。
③ 黄体ホルモン剤(ディナゲスト/ジェノゲスト)
血栓のリスクがないため、血栓リスクが高いもしくは心配という方でも安心して使用出来ます。
④ 漢方
ホルモン製剤の内服に抵抗がある場合に選択します。
症状に応じて、その方に合った漢方を選択します。
即効性はありませんが、4-12週間の投与で症状の改善が期待できます。
⑤ ミレーナ
低用量ピルなどの経口薬を毎日内服するのが難しい方や、血栓症リスクのある方に有用です。
ただし分娩経験のない方の場合には、挿入時の痛みが強いことも多く、まずは他の方法を試すことをお勧めします。